ハンサムな彼女(小説版)
宮沢ぷりん 著
原作・イラスト 吉住渉
1993年4月10日初版
りぼんの大ヒット漫画である「ハンサムな彼女」のノベライズ版です。
集英社の少女小説レーベルであるコバルト文庫のコバルト・ピンキーからの発行になります。
この時原作の吉住渉さんは既に次回作である「ママレード・ボーイ」の連載中でしたが
表紙含めて挿絵など数枚描き下ろされているので
ファンにはとても嬉しい文庫だったのではと思います。
ピンキー・りぼんの泣く子も黙るラインナップ。
姫ちゃんと蘭世ちゃんがキッズの心を鷲掴みにしにきています。
嬉しいことに当時のしおりや乙女ちっく通信もありました。
超かわいいしおりのイラストははみさわぽこさん。
主にファンロードやゲーメストなどで活躍されていた人気の同人作家さんで、
今見てもかわいらしいイラストだなと思います。
全プレが懐かしくて泣けます。
この本では第一部のお話が収められています。
このあらすじでは未央ちゃんは高1になっていますが
小説のスタートは原作と同じく中3からです。
小説家の宮沢ぷりんさんが忠実に文章化されているので
原作のスタイリッシュな雰囲気をそのまま楽しめます。
(この手のノベライズ本は漫画が禁止されている学校にも持ち込めるという
子供にとって利点がかなり大きいため
楽しめることは重要です!笑)
オシャレな口絵つき!
未央ちゃんも一哉くんも15歳とは思えないくらい大人っぽいです。
原作の流れそのままですが
文章化するとインパクトのある目次ですね。
90年代少女漫画テイストが感じられて好きです。
冒頭から原作通りですが悲しいことにてるちゃんの挿絵はないです。
(叶わぬ淡い初恋相手のかっこいいお兄さんポジなのにちょっと切ない)
その代わりに未央ちゃんと一哉くんの初対面シーンは
描き下ろしで用意されています。
親友の彩ちゃんとのかわいいイラストも描き下ろしです。
恋愛で悩んだりぎくしゃくしたりと波乱はありますが
彩ちゃんとの友情も欠かせない要素なので嬉しいです。
一哉くんを追ってLAからやってきたアーサー・クライトン監督からのボンドガールご指名や、
(今見ても衝撃的な展開ですね)
弟みたいなポジションのSMACKの篤紀くんも出てきたり(しかし挿絵はない)、
映画をつくるために集まった一哉くんの心強い友人たちも原作通りです。
(みんなイケメンですが挿絵はない)
のちにキーパーソンとなる収くんは原作からの流用ですが挿絵はあります。
流用で全然構わないからイケメンズの挿絵欲しかった…笑
タイトルの由来となる「ハンサムな女」のエピソードもあります。
制作パーティーを二人で脱出して映画を見て…という展開は最高にドラマチックですね。
一哉くんの映画制作への真摯な思いが垣間見える重要なエピソードでもあります。
映画制作の資金繰りにSOMYの沖田さんに取り入るエピソードも。
学園ラブコメとは違ったダイナミックな展開が
今見ても大人っぽい話だと思います。
原作のスリリングなエピソードが一冊で楽しめるので読書の秋におすすめです!
読んだら原作も読み返したくなるので漫画も買いたくなります笑
ハンサムな彼女はいいぞ。
前に電子書籍で買っていたので確認のために再読しましたが
満員電車の中でも楽しく読めたのでとてもよかったです。
ピンキー・りぼんのかわいさに気付けたのも嬉しいのでまた何かゲットできたら紹介したいです◎