胸いっぱい!スイート・ドリーム
水原結花 著
1989年12月25日発行
クリスマスも近いのでクリスマスな少女小説の紹介です。
クレヨンしんちゃんで有名な双葉社が2年間だけ刊行していた少女向けレーベル、
いちご文庫ティーンズ・メイトがありました。
裏表紙がかわいすぎます。
名前だけでもうかわいくて心を掴まれますが、
バブル期のクリスマスに刊行された「胸いっぱい!スイート・ドリーム」は
タイトル通りにトレンディな夢で溢れています。
作者は水原結花さんでこの本がデビュー作となっています。
かわいいイラストは秋乃こよみさんです。
ママの再婚相手の息子が最推しのアイドルで…!?という
最強のスイート・ドリーム小説です。
丸文字のあらすじがたまりません。
ヒロインの水島ルナ(16歳)、麻生トオル(19歳)
ルナのキュロットスタイルがかわいいですね!
半年前にルナは実の父親を飛行機事故で亡くしています。
ヘビーな始まりですがバブル期だったためか金銭的な困難要素はこのお話では出てこない為、
安心してときめきに全振りできます!
ルナは聖マリエル女学院高校というエスカレーター式の私立校に通っています。
ロマンティックな雰囲気の学校は少女漫画感があって憧れますね!
かわいい系のマリと磨けば美人系なヒラリンを友達に持つルナは自分の普通さに嘆きます。
この時代の普通の基準が恐ろしい(ルナの実家は品川のマンションです)
そんなある日、ルナのママは友人のパーティーの会場で知り合った植物学者と再婚することに。
その息子がルナが大ファンであるトオルだった!
このテンション高めなイラストがかわいいです。
人気アイドル・トオルが自分の兄に⁉︎
フォルクスワーゲンのジェッタと共にトレンディにキメています。
イケイケな姿のトオルですが中身はかなりの常識人なので
安心してスイート・ドリームに浸れます。
(妹ができた喜びのあまりルナに「おにいちゃま」呼びを頼んだりはしますが)
品川のマンションから祐天寺の庭付きの一軒家にお引越し。
身内だけの結婚式とはいえママはフリフリなウェディングドレスを着てチャペルで挙げているので
当時のティーンの夢は見事に表されています。
(ママは多分資産家だったんだろうなと脳内保管してます)
超人気アイドルとの同居生活はもちろん嬉しいことばかりじゃなくて
周りに口外できなかったりマスコミにフォーカスされたりと大変です。
そしてトオルは妹としか見てくれないことにもルナは悩みます。
フォーカスされた件もママが学園長と話をつけてお咎めなしになりました。
友人たちにもカミングアウトできましたがそれはそれで問題ができまりします。
ハブラシに触れたいってリアルにありそうで生々しいです笑
ある時友人マリがトオルと2人きりの時に抱きつく事件が起きたり、
トオルの友人の坂本昌史に告白されて付き合ったりと、
波乱は続きます。
ちなみにマリに抱きつかれたトオルは至って冷静でした。
「ルナとか、マリちゃんとか、そのくらいの年の女の子って、ただ、何となく、彼氏が欲しいんじゃないかな?」
トオルは人生を何回かやり直してるか
19年の人生の中で色々あったかレベルの達観をしています。
揺れる心のまま季節はクリスマス・イブへ。
トオルがルナを連れてジェッタで横浜のフレンチレストランへと向かいます。
スイート・ドリームも最高潮へ!
トレンディな憧れ要素を詰め込んだイラストが最高です。
果たしてルナの想いは届くのか⁉︎
クリスマスにぴったりなロマンティックなお話になっています。
いちご文庫はかわいい栞とリーフレットもあります!
リーフレットはなぜかレモン文庫に挟まっていました笑
ゆるく楽しく集めていこうかなと思います。