コミック・クラブ♡は事件がいっぱい⁉︎ (ポプラ社) 表紙より
コミック・クラブ♡は事件がいっぱい⁉︎
とんでる学園シリーズ34 (ポプラ社)
一藤木杳子 作 岩本真樹 画
1990年8月 初版発行
コミック・クラブ♡は事件がいっぱい⁉︎ (ポプラ社) 1Pより
明日から9月!
芸術の秋の到来なのでマンガがモチーフのかわいい本の紹介です。
ポプラ社の女の子向け児童書レーベルのとんでる学園シリーズの一冊です。
学級文庫や図書館で触れたことのある方も多いのでは?と思います。
女の子が飛びつきそうなかわいい表紙と有名作家さん達が手がけられた魅力的なシリーズでした。
魅力的なシリーズですが部屋を圧迫するためコンプは目指しません_(:3 」∠)_
とんでも学園シリーズについてはこちらのTogetterで詳しく紹介されています。
コミック・クラブ♡は事件がいっぱい⁉︎ (ポプラ社) 見返しより
お話はコバルト文庫で活躍されていた一藤木杳子さん、華やかでかわいいイラストは岩本真樹さん。
キャラクター紹介からもう魅力的です。
いわゆる漫研ですがイケメンとかわいい女の子で占められた強いクラブになっています。
コミック・クラブ♡は事件がいっぱい⁉︎ (ポプラ社) 3Pより
この本ではコミック・クラブの設立と学内イベント開催までのドタバタが描かれています。
フィクションですがオタクへの風当たりが厳しかった時代がどことなく感じられます。
コミック・クラブ♡は事件がいっぱい⁉︎ (ポプラ社) 9・11Pより
主人公の麻生美奈(みーな)は少女マンガが大好きな小学5年生。
クラス内のイケメンの杉原良(リョウ)が好きで、自作のマンガにも登場させるレベルだったりするヒロインです。
ある時みーなはリョウに呼ばれて親友の長谷川奈津子(ナッコ)、幸村雅人(マサト)と共に
創作の趣味を生かしたコミック・クラブを作ることになります。
熱血で少年漫画の主人公タイプのリョウはスポーツマンガ、
クラブの参謀ポジの頭脳派なマサトはSFマンガ、
明るくおしゃべりなナッコはポエムとイラスト、
空想大好きなみーなは学園ラブコメ!
そんな魅力に溢れたコミック・クラブ計画が立ち上がります。
コミック・クラブ♡は事件がいっぱい⁉︎ (ポプラ社) 35Pより
クラブ設立へのハードルは高いです。
ライバルキャラの文芸クラブのミサコが現れたり、
(彼女もリョウが好きだったりする王道展開)
コミック・クラブ♡は事件がいっぱい⁉︎ (ポプラ社) 47Pより
その文芸部の顧問で学年主任の田端先生(通称カバ)がマンガを良しとしないお堅いキャラだったりと、
クラブ活動の大変さもしっかり書かれています。
コミック・クラブ♡は事件がいっぱい⁉︎ (ポプラ社) 44・45Pより
クラブ活動にはまずは顧問が必要!なので、マンガに理解のありそうな先生を探します。
優しくて人気のある美術の中田百合子先生にオファーをすることに。
優しくて話しやすい人柄って大事だなと思います。
コミック・クラブ♡は事件がいっぱい⁉︎ (ポプラ社) 69Pより
百合子先生はマンガはとても広い可能性をもった分野だと理解をしてくれました。
しかしこのページにもあるように文芸作品派のカバ先生はマンガは遊びだと否定します。
カバ先生、一昔前のマンガに対してこの意見だとすれば現代のラノベやなろう系を見たら卒倒するだろうな…と無駄に心配になります。
コミック・クラブ♡は事件がいっぱい⁉︎ (ポプラ社) 79Pより
カバ先生派のミサコもマンガなんてくだらないわよッと
クラブは遊びじゃないことをみーなに告げます。
ピンチなみーなの前に颯爽と現れてぼくらは本気でとりくんでるんだ、と
ミサコに意見するイケメンのリョウ。
やはり彼は熱血主人公タイプです。
コミック・クラブ♡は事件がいっぱい⁉︎ (ポプラ社) 100・101Pより
クラブ設立は職員会議をめでたく通過して、
最初の活動となるアニメ映画の上映会を計画することに。
漫研とはいえいきなり学内誌を作るのはハードルが高いため、
アニメ鑑賞と感想を話し合う会から始めるのが実に現実的です。
コミック・クラブ♡は事件がいっぱい⁉︎ (ポプラ社) 105Pより
視聴覚室(これもレトロ)で上映を計画しますが、例によってカバ先生が渋ります。
学年主任が渋るならどうする?
そりゃあ決まっています。
コミック・クラブ♡は事件がいっぱい⁉︎ (ポプラ社) 121Pより
もっと立場が上の人に直談判です。
校長先生に計画書や作品を見てもらいます。
ここまで本気でやってのける児童たちに校長先生もニッコリ。
岩本真樹さんのキャラの描き分けが素晴らしく、
イケオジな校長先生にメロメロになります。
カバ先生も良い表情ですね!
コミック・クラブ♡は事件がいっぱい⁉︎ (ポプラ社) 141Pより
そして上映会開催まで漕ぎ着けますが、またもやトラブル!
文芸クラブの児童文学作家の講演イベントと日程が被ります。
さあコミック・クラブはどうなる!?
設立までのドタバタがリアルに描かれていて面白く読めました。
しかしこの作品、最後に自分をメロメロにするキャラが登場します。
コミック・クラブ♡は事件がいっぱい⁉︎ (ポプラ社)163・165Pより
新メンバー追加!
美形マンガ描き(おそらく耽美系)のかわいい女の子・藤森利絵(モーリ)が出ます。
グルメ系のヒロも良いですが将来に期待しかないモーリにメロメロです。
コミック・クラブ きえたコミックはだれの手に⁉︎ (ポプラ社) 表紙より
気になる彼女の詳細は続編へ…。
いよいよコミック・クラブがマンガを描き始めます。
こちらも次回紹介したいです。
コミック・クラブ♡は事件がいっぱい⁉︎ (ポプラ社) 裏表紙より
漫研設立に走るキッズたちの本を紹介しました。
子供向きと侮るなかれ、設立と活動の地道な流れもきちんと描かれた
学園もののお話として楽しめました。
とんでる学園シリーズはかわいくて楽しくて良いなと実感しました◎