だれでも少女まんが名人 だれでもマスター/子ども名人シリーズ(集英社)より
だれでも少女まんが名人
だれでもマスター/子ども名人シリーズ(集英社)
一条ゆかり 監修 宮地豊 構成
(協力 りぼん編集部)
1997年10月25日発行
90年代のりぼん編集部全面協力の子ども向けの少女漫画のハウツー本です。
監修は少女漫画界のレジェンド一条ゆかりさん。
この本の表紙も有閑倶楽部の悠理が原稿から飛び出す勢いで描かれており、
かなりインパクトがあります。
だれでも少女まんが名人 だれでもマスター/子ども名人シリーズ(集英社) 見返し部分より
見返しから既に始まっています。
一条ゆかりさんならではのエネルギッシュなインタビューに勇気づけられます。
イラスト・まんが(敬称略)
葉月みどり
及川えみり
田辺真由美
藤谷美鈴
岩本真樹
春日るりか
ちま
だれでも少女まんが名人 だれでもマスター/子ども名人シリーズ(集英社) 見出しより
各ページは90年代のりぼん系列の雑誌で活躍されていた漫画家さんで構成されています。
(このラインナップでぐっとくる世代です)
だれでも少女まんが名人 だれでもマスター/子ども名人シリーズ(集英社) 特別編より
葉月みどりさんによるカラーイラストのメイキング。
子供の身の回りにある画材でできるよう水彩絵の具を使ったイラストになっています。
葉月みどりさんらしい柔らかなカラーリングかがかわいらしいです。
だれでも少女まんが名人 だれでもマスター/子ども名人シリーズ(集英社)
『藤井みほな先生が語る思い出 初めてのカラー原稿』より
エッセイ漫画も載っていて面白いです。
こちらは藤井みほなさんの初めてのカラーの話です。
デビューがかなり若かった藤井さんならではなのエピソードですね!
(最近龍王魔法陣の続編が発表されたそうなのでかなり気になっています!)
だれでも少女まんが名人 だれでもマスター/子ども名人シリーズ(集英社) 19ページより
色々な表情を描く練習もあります。
及川えみりさんの描くころころ変わる表情がかわいいです。
丸文字もいいですね!
だれでも少女まんが名人 だれでもマスター/子ども名人シリーズ(集英社) 36ページより
友達を観察して表現する練習ページもあります。
田辺真由美さんによる賑やかなページになっています。
表情はまゆみやいとーくんに見えてきて仕方ないです笑
だれでも少女まんが名人 だれでもマスター/子ども名人シリーズ(集英社) 48ページより
藤谷美鈴さんによる女の子のイラスト教室漫画。
つけペンやベタ、トーンを使った本格的な作画指南ですがかわいらしいタッチで楽しく読めます。
自分は貧乏すぎてスクリーントーンは中々買えなかったため結局アナログのトーンはあまり使えないままです…笑
藤谷さんは現在ではガラス作家としてご活躍をされていますが、
この当時の絵柄も華やかでかわいくて素敵ですね!
だれでも少女まんが名人 だれでもマスター/子ども名人シリーズ(集英社)
『倉橋えりか先生の4コママンガ マンガ家の日常生活』より
倉橋えりかさんのエッセイ漫画。
今でも根強いファンがいる漫画家さんですが、
親しみやすいノリのこの漫画で愛され続ける理由が分かる気がします。
そういえばLUNA SEAのファンでもありましたね!
だれでも少女まんが名人 だれでもマスター/子ども名人シリーズ(集英社) 72ページより
岩本真樹さんによるキャラ作り指南ページ。
描き分けのうまさに見惚れます。
そしてライバルの女の子が好みです笑
後輩の子はきっと人懐っこいキャラでかわいいんだろうな〜と勝手に思っています。
だれでも少女まんが名人 だれでもマスター/子ども名人シリーズ(集英社) 96ページより
今となってはちょっと懐かしいページかもしれません。
ナワカケや点描の描き方やガラケーなど。
アナログならではの表現ですね!
だれでも少女まんが名人 だれでもマスター/子ども名人シリーズ(集英社)
『長谷川潤先生のアシスタントの思い出 健康がいちばん大切』より
長谷川潤さんのエッセイ漫画。
くすりと笑えるエピソードから楽しげなお人柄が伝わってきます。
長谷川さんのラブコメの中でもこうしたとぼけたギャグがあるのが好きでした。
だれでも少女まんが名人 だれでもマスター/子ども名人シリーズ(集英社) 120ページより
みんな大好きコピー本指南コーナー。
今でこそ即売会当日にiPadからコンビニコピー機で小冊子モードで出力して
そのまま会場入りをする!な荒技ができますが
こちらはアナログ原稿で作る方法です。
色々応用ができるので知っておいて損はない情報ですね!
だれでも少女まんが名人 だれでもマスター/子ども名人シリーズ(集英社)
春日るりか『トロピカル☆ルーナ』より
参考用に短編漫画の再録もあります。
春日るりかさんのトロピカル☆ルーナ。
かわいいファンタジーが得意な漫画家さんだけあり画面の楽しさや南国のムードが伝わってきます。
だれでも少女まんが名人 だれでもマスター/子ども名人シリーズ(集英社) 164ページより
彩花みんさんの赤ずきんチャチャの短編再録やインタビューもあります。
チャチャとリーヤはハイジとペーターが元だったのかと衝撃的です笑
(セラヴィー先生とかよくりぼんに載っていたなと今更ながら思います)
だれでも少女まんが名人 だれでもマスター/子ども名人シリーズ(集英社) 171ページより
巻末はちまさんによるイベントレポート。
この本で初めて即売会やコミケを知った女の子もいたのではないでしょうか。
(自分は進研ゼミで知りました)
イベント参加の楽しさが伝わってきます。
マンガ情報誌も懐かしい文化ですね。
だれでも少女まんが名人 だれでもマスター/子ども名人シリーズ(集英社) 173ページより
即売会ならではの注意事項も。
今だと問題ですがこの漫画では大らかです。
子供向けの本なので最後は同人誌は高いから無駄遣いしないでね!とか
参加の際は保護者と一緒にいくか許可をもらおう!で締められています。
だれでも少女まんが名人 だれでもマスター/子ども名人シリーズ(集英社) 裏表紙より
だれでも少女まんが名人の名のとおりに
少女漫画にまつわる実践的な内容がたっぷりな本でした。
出版時はデジタル作画が出始めた頃だと思うので、
貴重なアナログ作画の本だと思います。
個人的には懐かしく楽しい一冊でした!